ジャグラーを打つとき、「今日はどの台に高設定が入るのか」を考えながら台選びをしている方は多いと思います。角台だから、前日大きく凹んだから、最近高設定が使われていない台だから。お客様からすると、こういった様々な根拠から高設定台を予想します。
では逆に、実際に設定を決める店長は、何を見て「この台に高設定を入れよう」と判断しているのか。実は、高設定を使う機種や台には、店長側にもそれぞれ理由があります。今回は現役店長の視点から、ジャグラーの設定配分の裏側を解説していきます。
この記事でわかること
- 高設定の原資が「売り上げ・粗利の進捗」からどう生まれるか
- どの機種に高設定を使うのか、店長側の判断基準
- どの台に高設定を使うのか、シンプルな根拠の作り方
- 実際の営業データで見る、マイジャグラー10台の設定配分
設定は「台」から決まるわけではない
先に全体の流れをお伝えします。ジャグラーの設定は、いきなり「この台に高設定を入れよう」と決まるわけではありません。
ここから、ひとつずつ解説していきます。
第1章 高設定の原資は「売り上げ・粗利の進捗」から生まれる
年間計画から機種ごとの目標まで落とし込む
パチスロの設定配分を考える上で、最初に確認するのが売り上げ・粗利の進捗です。パチンコ店では、年間の営業計画があります。そこから月間、さらにパチンコ・パチスロ、機種ごとへと、目標となる売り上げや粗利を細かく落とし込んで営業していきます。
特に大手法人ほど細分化されています。この機種はどれくらい稼働するのか、その稼働に対してどのくらいの粗利を確保するのか。あらかじめ機種ごとに計画を立てて、その合計が店舗全体の目標粗利に対してどうなるのかを確認します。
例えば、月間粗利目標が4,000万円だとすると
このまま営業すれば4,400万円くらい確保できそうだとします。そうすると、目標に対して400万円ほど余裕がありますよね。
この余剰分が、高設定を使ったり、強化したい機種の平均設定を上げたりする一つの原資になります。
つまり、先に高設定の予算を各機種へ均等に振り分けるというより、「月間で必要な粗利をどの機種で確保して、その中からどこへ投資していくのか」という考え方に近いです。
当然、お店により優先順位は違いますが、「どこで粗利を確保して、どこに設定を使うのか」という機種ごとの役割を考えながら設定配分を組んでいきます。
計画通りにいかない日もある
ただ、すべてのホールが計画通りの営業とはいきません。スマスロの出玉の荒さ、イベントの多様化、SNSなどによる影響で「どのお店が、どの日に、どれくらい出したのか」が以前よりも営業結果が可視化されやすくなりました。
そうなると、毎日少しずつ還元するよりも、「この日はしっかり粗利を確保する」「この日はしっかり還元する」と、営業日にメリハリをつけるホールも多くなりました。そして、一度立てた計画通りに毎日営業するわけでもありません。実際の設定配分では、直近でどれくらい出ていたのか、どれくらい粗利を確保できていたのか、こういった実績も見ながら日々調整していきます。
第2章 どの機種に高設定を使うのか
高設定を使える原資があるとして、次に考えるのが「その原資を、どの機種に使うのか」という部分です。
高稼働=高設定が使われる、とは限らない
注意したいのが、高稼働だからといって、必ずしもその機種に高設定が使われるとは限らないということ。例えばスマスロであれば、新台だから動いている、大型版権だから動いている、こういった理由で高稼働になることもあります。例え高稼働でも、お店として利益を確保する機種として位置付けている場合もあります。
ジャグラーは少し考え方が違う
一方で、ジャグラーは少し考え方が違います。スマスロと比べて稼働が安定しており、長期稼働しやすい機種です。なので機械代回収を急ぐ必要はなく、導入週は全国データを見ても甘く扱われております。
地域やお客様層によって、動く機種は変わる
そして同じジャグラーでも、地域やお客様層によって動く機種は変わります。年配のお客様が多い地域であれば、ネオアイムジャグラーの稼働が高くなりやすい。そういった店舗では、ネオアイムをメイン機の一つとして扱い、設定を使う優先順位も高くなる傾向があります。
ここで大事なのは、「動かしたい機種に設定を使う」というよりも、実際に動いている機種、設定を使うことで今後も動く見込みがある機種に設定を使うのが営業の基本です。
ジャグラーコーナー全体のバランスで決まる
ただし、ジャグラーの場合は「一番稼働が高い機種に一番高設定を使う」とも限りません。例えば、マイジャグラーが高稼働な店舗なら、中間設定を中心に使うことで全体稼働が維持もしくはさらに稼働が安定します。
その一方で、相対的に稼働が低くなっているネオアイムには、設定5・6など高設定の割合を増やす。こうすることで、ジャグラーコーナー全体の稼働バランスを取ることもあります。逆に、高稼働な1機種に集中的に高設定を使うお店もあります。
なので「お店で一番稼働が高いマイジャグを打てば勝てる」という考え方ではなく、ジャグラー全体の稼働バランスを見ながら、どの機種に設定を使うのかを見る必要があります。
第3章 どの台に高設定を使うのか
次に、ジャグラーという機種の中で「どの台に高設定を使うのか」という部分です。
実は、深く考える必要はない
ここについては、意外と深く考える必要はありません。特にジャグラーは、設定示唆が出るスマスロなどと比べて、設定そのものが非常に分かりにくい機種です。だからこそ、設定の入れ方まで複雑にしすぎると、お客様から見ても狙う理由がなくなってしまいます。
設定を使うのであれば、見つけてもらう、回してもらう、「このお店は、こういう台に高設定を使う」と認識してもらう。つまり店長側は、「稼働してもらう理由を作る」必要があります。
そのため、ジャグラーの設定の入れ方は、必要以上に複雑にはしません。特に平常日は、イベント日と比べて、普段から来店されている常連のお客様の割合が高いため、設定の入れ方も比較的シンプルになりやすいです。
最もシンプルな考え方は「直近で出ていない台」
もちろん、角台、角2、並び、塊、末尾など、設定を入れる場所には色々な考え方があります。中でも、最もシンプルな考え方は「直近で出ていない台に高設定を使う」です。よく言われる、前日凹み台や上げ狙いのことですね。
ホールコンで見るのは、直近2〜3日もしくは週間のデータ。その中で、差枚がマイナスになっている台。こういった、出ていない台だからこそ高設定を使います。
イベント日は考え方が変わる
一方で、少し考え方が変わるのがイベント日です。イベント日になると、普段そのお店に来店されないお客様も増えます。そのため、平常日ほど単調な設定の入れ方にはせず、並びや塊、普段とは違う場所など、どの台に設定を使うのかを少し考えます。
高設定を狙う際の3つの根拠
複雑な設定の入れ方になってくると、複数の根拠を組み合わせなければいけません。高設定を狙う際の根拠は大きく3つあります。
| 根拠 | 見るもの |
|---|---|
| 履歴根拠 | 前日・前々日・週間 |
| 配分根拠 | 角・並び・塊・末尾など |
| ホール状況根拠 | 平常日なのか、イベント日なのか |
今回は平常日かつ最もシンプルな設定の使い方を説明しているので詳しくはやりませんが、イベント日の立ち回りの精度を上げたい人は、ぜひこちらの動画を確認してみてください。
今回覚えておいてほしいのは、高設定が使われる台には、シンプルだけど店長側にもその台を選ぶ理由があるということです。
第4章 実際に10台あったら、どこに高設定を使う?
例えば、マイジャグラーが10台あるとします。
前提:毎日ゼロから決め直しているわけではない
前提として、店長が毎日10台すべての設定を1台ずつゼロから決め直している、というわけではありません。もちろん、地域や法人によって設定の使い方は違いますが、通常営業では8割〜9割が設定1・2の低設定です。
設定2が多くなれば、設定2・3・4中心になりやすい。設定1が多いほど、高設定に期待できる。もちろん、設定はわからないのでイメージだけで良いのですが、基本的に低設定は据え置き。その中から、今日はどの台に設定を使うのか考えます。
実際の営業データで考えてみる
こちらは、平常日のマイジャグラー10台の営業データです。
| 台番号 | 総回転 | BIG | REG | 合算 | 差枚 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1番台 | 2,289 | 5(1/457) | 1(1/2289) | 1/381 | -1,480枚 |
| 2番台 | 2,579 | 9(1/286) | 4(1/644) | 1/198 | -461枚 |
| 3番台 | 3,634 | 8(1/454) | 12(1/302) | 1/181 | -1,284枚 |
| 4番台 | 3,093 | 6(1/515) | 8(1/386) | 1/220 | -1,719枚 |
| 5番台 | 2,610 | 5(1/522) | 7(1/372) | 1/217 | -1,242枚 |
| 6番台 | 7,542 | 32(1/235) | 23(1/327) | 1/137 | +1,538枚 |
| 7番台 | 6,581 | 31(1/212) | 17(1/387) | 1/137 | +1,810枚 |
| 8番台 | 5,061 | 21(1/241) | 18(1/281) | 1/129 | +574枚 |
| 9番台 | 2,423 | 3(1/807) | 6(1/403) | 1/269 | -1,331枚 |
| 10番台 | 4,070 | 13(1/313) | 10(1/407) | 1/176 | -852枚 |
翌日に設定4を入れるとしたら、何番台に入れますか? 少しお考えください。
答え合わせ
では2日目と設定を公開します。
| 台番号 | 総回転 | BIG | REG | 合算 | 差枚 | 設定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1番台 | 3,578 | 12(1/297) | 6(1/596) | 1/198 | -549枚 | 設定2 |
| 2番台 | 4,183 | 12(1/348) | 17(1/246) | 1/144 | -458枚 | 設定2 |
| 3番台 | 4,703 | 25(1/188) | 11(1/427) | 1/130 | +1,174枚 | 設定2 |
| 4番台 | 7,488 | 36(1/208) | 26(1/288) | 1/120 | +2,451枚 | 設定4 |
| 5番台 | 8,093 | 33(1/245) | 34(1/238) | 1/121 | +1,993枚 | 設定3 |
| 6番台 | 6,709 | 31(1/216) | 21(1/319) | 1/129 | +1,390枚 | 設定4 |
| 7番台 | 2,391 | 7(1/341) | 3(1/797) | 1/239 | -712枚 | 設定2 |
| 8番台 | 3,039 | 10(1/303) | 6(1/506) | 1/189 | -695枚 | 設定2 |
| 9番台 | 3,314 | 12(1/276) | 6(1/552) | 1/184 | -296枚 | 設定2 |
| 10番台 | 4,658 | 18(1/258) | 11(1/423) | 1/160 | -58枚 | 設定2 |
マイジャグラー5 営業実績(設定の推移)
| 台番号 | 1日目 | 2日目 |
|---|---|---|
| 1番台 | 設定2 | 設定2 |
| 2番台 | 設定2 | 設定2 |
| 3番台 | 設定2 | 設定2 |
| 4番台 | 設定2 | 設定4 |
| 5番台 | 設定3 | 設定3 |
| 6番台 | 設定4 | 設定4 |
| 7番台 | 設定2 | 設定2 |
| 8番台 | 設定2 | 設定2 |
| 9番台 | 設定2 | 設定2 |
| 10番台 | 設定2 | 設定2 |
目に見える台は10台分ですが、マイジャグ非等価で平常日の設定配分はこんなものです。もちろん全国的にこれ以上入れてる店舗もあれば、悪い店舗もあります。
今日の内容からすると、設定の入れ方はシンプル。「直近2〜3日のデータ・差枚」ですよね。なので、設定4は4番台に入れました。
あとマイジャグは店内10台だけではないのですが、初日は設定2で利益が取れすぎたので、翌日4を増やした結果、6番台は据え置き。同じように5番台を据え置きにして、並びで入っているように思ってもらえたら、という意図がこの日にはありました。
まずは「差枚」から見る
並びや末尾などを考えるよりも先に、まず差枚から、どのような台に設定を使っているのかを考えるのが良いと思います。
実際、ほとんどのお客様は狙い台を予め決めてホールに足を運びません。当日もしくは前日、前々日のデータを見て、その場で台選びをします。だからこそ店長側も、お客様が実際に見る直近のデータを確認する。同じ視点で考えることで、分かりやすい癖を伝えることができる。
もちろん、毎回マイナス差枚にしか設定を使わないとなると、それ以外の機種が動きづらい。そうならない為に、他の要素も組み合わせて設定を決めています。
まとめ
この記事のまとめ
- 高設定は「原資(売上・粗利の余剰)→ 機種 → 台」の順で配分される
- 高稼働=高設定とは限らない。今後も動く見込みがある機種に設定が使われる
- ジャグラーコーナー全体の稼働バランスを見て、機種ごとの優先順位が決まる
- 台選びの最もシンプルな根拠は「直近2〜3日の差枚」
- イベント日は履歴根拠・配分根拠・ホール状況根拠を組み合わせる
ここまで見ていただいた方に、最後に一つだけ覚えておいてほしいことがあります。
「店長なら、なぜ今日この台に設定を使うのか」
ジャグラーで高設定を狙う時は、設定そのものを読むだけではなく、この視点を加えてみてください。設定が分かりにくいジャグラーだからこそ、店側も稼働してもらう理由を作っています。その理由を見つけることが、設定配分を読む上で非常に重要だと私は考えています。
動画でさらに詳しく解説しています
今回の記事の内容は、YouTubeチャンネル「ランプよ光れ」でも動画で解説しています。実際の営業データを見ながら解説していますので、あわせてご覧ください。